今回は私がバレエ団に入りたての頃のお話をします。
私の在籍したバレエ団はとても厳しく、それはそれはハードな毎日でしたが、あの時経験させていただいた事は、今とても役に立っています。
あの頃の経験があったからこそ、今は何が起きても簡単には負けない自分ができたのだと思います。
バレエ学校時代からずっと夢見て憧れだったバレエ団!!!
しかし、入団出来てもすぐには舞台に立たせてはもらえません。
ひたすらリハーサルの見学と先輩方のサポートの日々・・・。
毎回のリハーサルに先輩方はどう立ち向かうのか、本番時に舞台裏でのサポートをどうしたら良いのか等、たくさんの経験をさせていただきました。
それと舞台裏では本当にたくさんの方々の力があって舞台がつくられている事を目の当たりにしました。
『舞台で踊るってすごい事なんだな・・・』と心底思ったのを覚えています。
そしてある日やっと舞台に立てるチャンスをいただきました。
まずは立ち役。大きなドレスを着て美しく踊る先輩方の周りでお芝居をします。
大きくて重たいドレスと頭にはかつらと頭飾り、そして足元は履き慣れないかかとの高~いヒール、踊る訳ではなくただ立っている、そして歩くだけなのにとてもとても大変でした。
そんな状況でも、物語の中で自分はどのような役割を果たしているのか?自分はどの様にして舞台上に存在しなくてはならないのか??客席からはどう観えているのだろう???等とても勉強になりました。
しばらくして初めて踊る役をいただいたのは 『くるみ割り人形』の ”ピエロ” と ”花のワルツ”。特に ”花のワルツ” はコールドバレエとして、初めてロマンチックチュチュとポアントで踊った役でした。周りはベテランの先輩方、バレエ学校時代の先生の目(現役で踊る先生方もたくさんいらっしゃいました)リハーサルだけでも毎回とても緊張したのを覚えています。
ミストレスの先生、周りの先輩方にもたくさんのダメ出しを受け、私はいつのまにか『いかに注意を受けないようにするか、はみ出たり目立たないようにするか』を考えるようになり、それを意識しながら一生懸命練習をして踊っていました。
そして本番。
客席からバレエ学校時代の先生が観てくださいました。
終演後、その先生から唐突に言われた言葉を今でも良く覚えています。
『どうしたの??晶子らしくない!!晶子らしさが全く出ていないじゃない!!!あなたはあなたらしくていいのよ!!!!』
私の中で『!!!????』かなりの混乱が起こりました。
私は『いかにはみ出たり目立たないようにするか』を一生懸命練習してきましたが、コールドバレエってそういう事ではないんだ・・・と、その時に初めて気が付きました。
そこからは、キチンと並んだり揃えて踊る事ももちろん意識しましたが、自分という存在や自分の踊りも考えながら踊るようになり、自然とダメ出しの数も減っていきました。
今思うと、目立たないようにしていたことで、逆に目立ってしまったのでしょうか。。。
『 いつも自分らしく! 』とても大切だと思います。
京王線京王稲田堤駅徒歩3分、JR南武線稲田堤駅徒歩4分
クラシックバレエ・ピラティス・ヨガ・ヒーリングヨガ・マタニティヨガ・産後ヨガ・Yinヨガ